SHIN'S ESSAYS(エッセー集)

2002年 6月7日 (金)

NHK「さくら」の中の異文化コミュニケーション(27)

■ NHKの新番組 
あのドラマの中で起こる様々な事がらから日米の文化・習慣の違いをたくさん学ぶことができます。 そんな違いを18年間(アメリカと中米)に在住した体験を通して話していきたいと思います。

「日本の男、日本の女」

ロバートが日本の男が理解できる日が来ました。  

これまでロバートが気に入らないそぶりを見せていた沼田家の孫作さんでしたが、 ハワイに帰ることになったロバートに照れながらプレゼントするシーンがありま した。また、保健体育の桂木先生は以前証券会社につとめていたことや、なんと アメリカでMBAさえ取って英語が話せる事実が判明。さくらは「なぜ言ってく れなかったの」と驚きます。そんな桂木先生を「奥ゆかしいから」と評価する豆 腐料理店「レオナルド」の夏子。アメリカ人の価値観だけで日本を判断してはい けないと桂木先生はさくらをいましめます。 ロバートはロバートで桂木先生を見ると侍という言葉が浮かんだと感想を述べ、 桂木先生は、「ロバートは変な日本人より義理堅い」と思います。感動的なシーン がつづいてうれしかったですね。

そこで、今日は世界の人たちが見る日本人像を取り上げてみましょう。

今年の3月。BBCがそのウェブサイトの中につぎのような記事を載せました。タイトルは「家事:日本人男性はなまけもの?」。要約するとこんな内容です。「合衆国のミシガン大学の調査によると、日本男子はアメリカの4分の1、スウェーデンの6分の1しか家事をしない。一方、日本女性は週に29時間家事をする。日本の男性も女性も他のどの国よりもよくテレビを見るが、特に女性はその時間が多い。」

これは、アメリカ、カナダ、ロシア、フィンランド、ハンガリー、スウェーデンそして日本を対象に行われたのだそうです。ここでBBCは「男性はもっと家事手伝いをすべきだと思いますか?あなたの経験を話して下さい」と質問しました。その答えが世界中からきたのですが、これも要約してみましょう。世界の人たちがどう思っているのか興味深い事がわかってきます。

まず、最初にイギリス人のジェフさんから。
「ぼくが日本に住んでいるとき、料理を手伝う機会があったんだ。エプロンをつけて台所で包丁を持ってタマネギをきざみ始めると、その場にいた女性達がハッという声を出したと思ったら、その中の女性が一人やってきて、包丁が切れすぎるから危ないので、ってぼくの手から包丁をもぎ取ったんだよ。そしたら女性達が手をたたいて笑うんだよね。ぼくはまるでピエロさ。明らかに男性が台所でタマネギをむいているところなんか見たことがないんだろうね。最終的にぼくは自分の指を切らないでタマネギ、人参などの皮をむき終わったんだけど、みんなほっとした顔をしていた」

このジェフ君がすごい勘違いをしていることがお分かりでしょう。世界各国から留学している大学院生(多くの場合妻帯者)の人たちのパーティーに呼ばれていくと、一番包丁さばきが上手なのは、どう控えめに見ても日本人なんです。もちろんフランス人やイタリア人のプロなら上手ですよ。でも、とくにアメリカ人達は物をきざんだりするときまな板をうまく使っていません。ぼくは料理はからっきしだめなんですが、こんなぼくでも包丁やまな板の使い方がうまいかへたかくらいはわかります。妻が「アメリカ人の包丁の使い方をみているとハラハラする」とよく言うのですが、妻の半分ほどのスピードで皮を剥き、それも分厚いんですね。台所に立てば不器用なぼくでもリンゴの皮を剥くと、「シン、あなた料理が全然出来ないっていったじゃないの!」と誉めてくれるほどなんです。日本人の手先が器用とよく言われますが、全判的に本当のようですね。

ですから、話を投稿者ジェフ氏にもどしますと、彼はきっと不器用にタマネギを剥いていたので、後ろで見ていた日本の女性達は危なくて見ていられなかったのだと思います。

もう一人、やはりイギリス人のアラン氏の投稿から。「日本の主婦が家事に29時間費やしているというのは間違いです。家が小さすぎるので、そんなに長くおられません。財布のひもを握っている主婦は外出して、テニスをしたり、語学学校に通 って楽しんでいるのですが、旦那達は奥さんが家にいると思いこんでいるんですよ。でも、うまくバランスが取れています。ご主人は会社でいやな上司にがみがみ言われながら長時間働き、主婦はご主人のために毎日弁当を作り子どもを育てる責任をはたします。また、主婦は自分よりも早く他界するであろう主人がいなくなったときのためにへそくりをするんです。」

どうですか?あたっていますか?

今度は、アメリカのAAさんからです。「国連のILO(国際労働機関)によれば、世界の工業国では合衆国の労働者が一番仕事をしているんです。きちんとしたデータを見ないで偏見を持つのはよくないと思うよ」 AAさんの言っているデータのことはぼくも何かの雑誌で読んだことがあります。いつのまにか「日本人は働き蟻(ハチではなく蟻と言われていました。髪の毛が黒いからそう見えるのでしょう)」ではなくなっていました。

もう一人、アメリカの女性の投稿から。 「私の恋人は日本人なんですが、料理、掃除、買い物まで何でもしてくれます。ええ、二人ともフルタイムの仕事を持っていますわ。彼がこんなになるまで数ヶ月かかりましたけど、私より料理がうまくなっただろうって自慢するくらいです。彼のお母さんも息子の変わり様に驚いていました。日本の女性はもっと男達をしっかり教育する必要があると思うわ」(アンナ、USA)

いやあ、実にアメリカ女性的発言ですね。まだまだ、続きがあるのですが、みなさんもお疲れになるでしょうから、ぜひそのサイトを時間のあるとき一度ごらんになってみて下さい。


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