SHIN'S ESSAYS(エッセー集)
2002年 5月 28日 (火)
NHK「さくら」の中の異文化コミュニケーション(19)
■ NHKの新番組
あのドラマの中で起こる様々な事がらから日米の文化・習慣の違いをたくさん学ぶことができます。 そんな違いを18年間(アメリカと中米)に在住した体験を通して話していきたいと思います。
「もう少しスピーチコンテスト」
スピーチコンテストにでて優勝すると宣言した沼田家の大介君。厳しい練習 がありましたね。残念ながら彼は優勝しませんでしたが、よく頑張りました。 で、このスピーチのことです。
もちろんこれはぼくの独りよがりな意見で、小泉首相じゃありませんが、自 虐的といわれても仕方がないくらい我々日本人は決してスピーチが上手だと は言えません。
かくいうぼくも学生の前で話したり、日本ではコンピュータ教育関係の講演 をさせてもらうことがありますが、終えた後はいつも「どこかのアナウンサ ー養成所にでも行って話し方勉強をしたほうがいいなあ」と反省してばかり います。
冗談は大好きなのですが、ユーモアある洗練されたスピーチとなるとまた別 です。前回ある日本人の会社社長のことを書いたことがありました。ぼくが 尊敬するこの方が母校に貢献したという理由で名誉賞を受賞されたとき、大 学図書館の特別室で学長や大学教授達、他の来賓たちの前でスピーチをされ ました。自分が受賞された経緯と友人、関係者達への感謝のことばを落ち着 いてユーモアを交えて話しをされたのが非常に印象に残っています。
この方は25年間も海外生活をされ、大変な苦労をされたからでしょうか、 若いぼくが逆に恐縮するほどの気配りをされるので、学ぶことしきりですが、 日本人であれだけユーモアを交えた英語でスピーチをされる人を見たことが ありません。この方がアメリカでみんなから尊敬され、好かれているのもや はりこのユーモアのセンスなのでしょう。
とにかく、アメリカ人のスピーチでユーモアのないものをきいたことがない くらいみんな上手です。なぜでしょう?たぶん小さいときから人前で話す訓 練をしているからだと思います。幼稚園の時から先生達は園児に積極的にみ んなの前で話すようにしむける国なのですから。
日米の習慣や考え方には逆転現象があることは何度も言っていますが、とり わけ日本人がアメリカ人に学べることの一つに「間違ったことはできるだけ 速やかに訂正する」ことかもしれません。これは政治的レベルから一般 人レ ベルまでに言えることです。この間違いを速やかに認めて修正する時間が短 いかどうかで、このグローバル化で日本がサバイバルできるかどうかにかか わってくるのは誰でも分かっていることなのでしょうが、深く根付いた習慣 (例えばハンコの連続)から抜けるには本当に時間のかかることですね。
番組の中で、さくらが英語の教科書をみて、「アメリカではこんな言い方は しない。この教科書間違っています」と指摘する場面がありました。それで も、沢田先生はそのまま生徒達に暗記させる必要があることを説明します。 これは作者の痛烈な日本の英語教育批判なのでしょう。ただ、番組のどこか で英語学習に「日本的な」英語があるような言い方を沢田先生に言わせてい ましたが、そんなことはありません。あれはNHKの文部科学省に対するリ ップサービスのような気がします。
日本の英語の教科書は会話中心になって昔と比べるとずいぶん改良されまし た。しかし、まだまだ教室現場で学ぶ生徒達から聞こえてくる残念な話があ ります。未だに英語の発音が良い生徒を揶揄する生徒達や、帰国子女をうま く扱えない先生方がいることなんです。 これは明日、お話ししたいと思います。
NHK「さくら」の中の異文化コミュニケーション(19)